コラム
VOL41. 市販の歯科製品
Date: 2011-10-27 (Thu)

日本歯科医師会の調べで、口の中の異常を8割の人が治療せずという結果が報告されました! 口の中の異常や痛みは、他の病気と違って、痛みが取れたり症状が無くなったから治ったと思うのは大きな間違いで、殆どが原因がある異常なのです。

ですから、そのまま放置しても良いことは殆どなく、いよいよ我慢できなくなって歯科医院にかかったときには殆どが手遅れ・・・・ 歯医者は行きたくない病院No1だと言われていますが、行かないでいて良くなることは殆ど無いのです。 また、テレビCMなどで、歯周病に効く洗口液だの、歯磨き粉だの炎症を抑える軟膏だのがいかにも効果があるように誇大に宣伝されていますが、あくまで症状を抑えるだけのことであって、そもそも歯周病や虫歯等々は根本的な治療をしなければ治りませんし、薬で症状を抑えれば抑えるほど進行してしまいます! 市販の製品を使うのは効果が無いとは言いませんが、薬効成分等々は薬事法によって細かく決められており、歯科医院で使うような薬効成分が入っているものは一般に市販できません・・・ 要するに、原因をしっかり治療してからではないと、いくら効果があると思わせぶりな市販製品を使っても絶対に治りはしないのです。

ですから、誇大な広告に騙されないように、しっかりとした知識と判断を患者さんたちにもってもらって、健康を保ってもらいたいと切に願います。

VOL40. 治療途中
Date: 2011-07-28 (Thu)

治療途中で来院されなくなる患者さん・・・・・ 色々な理由があるとは思うのですが、治療途中の歯が一番危険な状態だと言う事を忘れないで欲しいのです。

詰め物や被せ物が入る前は、仮ふさぎの状態もしくは仮歯の状態なのですが、あくまで「仮」。隙間は開いているし、仮歯も材質的には水分を吸収するので、ばい菌の温床になります。せいぜい放置しても大丈夫なのは1ヵ月。 また、根の治療の途中だと、根の中の薬の効果は2週間ほどで薄れますし、仮ふさぎしてる所は取れやすく欠けやすいのでそこからばい菌が根の中にどんどん入ってしまいます。 痛みが取れた、自分なりにこれで十分だ、と思っていても仮は仮なので、放置すればするほど重篤な状態になってしまいます。
「はい、この歯は処置終了です!」と、歯科医に言われるまでは、自己判断無く最後まで治療をして欲しいと切に望みます。 2011年度の平均寿命が発表されました。

ご自分の年齢と平均寿命の差を考えて、あと何年歯を使っていかなければならないかを考えていただければ幸いです。 そのためにできることは、まず嫌いな歯医者に一歩足を踏み入れる事です!

VOL39. 口臭
Date: 2010-11-06 (Sat)

今回は口臭について。 一言で「口臭」と言っても、様々な原因があります。口だけにその素があるのはごく稀で、特に多いのは、自分だけ口臭を感じるパターン。

皆さんはあまりピンと来ないかもしれませんが、口の中も綺麗で舌も綺麗、胃が悪いわけでもないし、外に居る人達には臭いは伝わらないのに、自分だけ臭いと感じる・・・・・ これは耳鼻科的な原因が殆どで、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)だったり、扁桃腺に付着する膿栓(俗名 臭い玉)が犯人な場合です。
要するに自分の内部から発する臭いを鼻が感じ取っているだけなのです。もちろん程度によっては呼気に臭いが混じって外にいる人にも伝わる場合があるのですが殆どが自分だけ感じる事が多いものです。
喉の奥をよーく見て、白い塊が付着していたり鼻水が黄色い場合は蓄膿症の疑いがあるので、耳鼻科で精査してもらって治療が必要になります。

あと、口臭の原因で見落としがちなのが舌です。 皆さん舌のお掃除してますか? 口の中の臭いの60%は舌からだという報告もあります。舌ブラシと言う物がありますので、歯医者さんで磨き方の指導を受けて見てください。

VOL38. スポーツマウスガード(続報)
Date: 2010-09-15 (Wed)

2003年から活動を始めた、スポーツマウスガードの普及活動。 ようやく、プロ選手達にも認められて、プロ野球選手を初め、数多くの選手達が装着してくれるようになってきました。先日は、日本ハムファイターズ・ダルビッシュ 有 投手も来院され早速試合で使用してもらってます。


その他、現在連勝中のオリックス金子投手や現役プロ野球選手数十人に製作して、実際に試合で使用してくれてる選手達も各球団に多数居るようになりました。 ただ、未だにその効果効能を理解せずに使用してたり、市販の物やかみ合わせの調整をしないで使用してたりする方が多いので、改めて、また独り言です。 スポーツマウスガードは、かみ合わせの調整をきちんとしたものを装着して初めてパフォーマンスが発揮できるもので、ただ型を取って装着したものや固いものは逆に身体を壊してしまう原因になるので注意が必要です。《無調整のマウスガードは絶対使用しない!!》で下さい。

それから、マウスガードの効果は大きく言うと「歯や口腔内の外傷からの保護」、「筋肉のバランスを良くする」、「歯同士が接触しないことによる精神的なリラックス効果」です。“力が強くなる”と言うのはあくまでも付随的なもので直接的な効果ではないので注意が必要です。マウスガードを装着したからパフォーマンスがあがったりするものではないのです。

要はバランスを良くしてくれるものだと言う事で、かみ合わせを歯の規制を受けない位置に保つことにより顎の位置を理想的な場所に保ち筋肉のバランスがよくなる=総合的なパフォーマンスが上がるかも? という事なのです。あと、これは忘れられがちですが、リラックス効果が非常に高く、落ち着いてプレーに集中できると言う声が多いです(もちろん最初は慣れが必要になります) 正しい知識や使用法を理解した上で、マウスガードをより多くのスポーツをする人達が使ってくれる事を願って止みません。

VOL37. ブリッジ?入れ歯?インプラント?
Date: 2010-07-07 (Wed)

前回の歯科検診についての独り言で、虫歯の無い人をいかに増やすか! という内容を説明しましたが、今回は既に治療をしてしまった歯を長持ちさせるには?というテーマで独り言です。

C0の考え方が取り入れられたのはまだ10年そこそこ・・・それ以前に検診を受けてた人は、お口の中が治療された歯だらけですよね。歯が全て揃っていて、全部の歯で噛めているならまだ長持ちする可能性がありますが、一本でも歯を失っている人は要注意です。 大概がブリッジ(前後の歯を支台にして固定性のもの)を入れていると思いますがこれが曲者。失った歯の負担を前後の歯で補っているので失った歯が1本だと前後の歯に1.5倍の力、2本だと2倍・・・・というように、失っている歯の本数に従って残っている歯に負担が増えて行きます。患者さんは、固定性の物なので、感覚的には全くと言っていいほど、負担が増えているのは感じませんが、残っている歯には実際問題としてかなりの負担増になって行きます。という事は残っている歯を失う確率も上がるということです。支えていた歯がダメになってまた隣の歯を削ってブリッジにして、またダメになって・・・の連鎖反応の繰り返しが数年単位で起こってきます。そうしているうちにブリッジでは対応できなくなって、部分入れ歯(取り外し可能で前後の歯に金具を取り付ける入れ歯)に・・・部分入れ歯も金具をかける歯に負担がかかるのと汚れが貯まりやすいため、またその歯を失う確率があがり・・・・部分入れ歯も段々大きい物になり、最後は総入れ歯! これが、歯を1本失ってからの連鎖反応です。

もちろん、メンテナンスの方法や状態によって総入れ歯までになってしまう人は個人差がありますが、平均寿命が上がってきている昨今、それだけ歯を使う年数も上がってくるわけで連鎖反応が起こる確率も決して低くないのが現状です。 じゃあ、どうやってその連鎖反応を止めるのか。要は失った部分に歯が生えれば良いのです。現時点でそれができるのは人工の歯根を埋め込むインプラントと言う方法。インプラントには賛否両論ありますが、全く歯が無い人にインプラントをしていくのはすごく大変ですし、失敗例も多数ありますが、1本~数本 歯が無い人にはとっても良い物で、連鎖反応を止めるには最良だと思います。もちろん適応症や失った歯の部分の骨の状態等々、全ての人がインプラントを入れられる訳ではありませんが、ブリッジを入れるぐらいであれば、前後の歯を余計に削ってしまって寿命を短くする心配もありませんし、負担を増やす事もなくなります。

外科処置を伴うので怖くて嫌だ!と言う人も居ますが、連鎖反応を止められる事を考えると、ちょっとの我慢で数十年先の歯の健康を保てると思って頑張ってみる価値はあるのではないでしょうか? ブリッジや部分入れ歯が入っている人達は、平均寿命と歯の状態を考えて現状に安心せず、危機感を持って残っている歯を長持ちさせるために、今一度お口の中を再考してもらえると幸いです。

VOL36. 歯科検診
Date: 2010-06-02 (Wed)

歯科検診・・・と聞くと、虫歯を見つけられて歯科にかからなければならないから嫌だな~と子供ながらに思っていた人は多いかと思います。 先日、幼稚園の歯科検診を依頼されて実施してきました。そこの幼稚園の園児達は地域性もあるのか虫歯の数は少なく、口の中も綺麗で殆どの園児が健全歯ばかりでした。

ただ中には過剰な予防処置を受けていたり、乳歯にここまで・・・・・・と思われる治療を受けていた園児も居ました。 そこで、皆さんに独り言。歯科検診の本来の目的は「治療する歯を発見する」のではなくて、「いかに虫歯の無い人を増やすか」だと言う事。昔の検診はC1~C4、と細かく虫歯を分類して調べていましたが、今はC(完全な虫歯:要治療歯) C0(要経過観察の虫歯:治療必要なし)という風に区別します。C0は治療の必要がありません!なんで虫歯なのに治療しなくていいの?と思う方も居るでしょうが、ちょっと黒くなっていたり、白濁したりしてても、その後のケアをしっかりしていれば治療しなくても進行せず経過観察で良い虫歯があるのです。もちろん放置してしまえば治療が必要になる可能性は高くなるのですが、かかりつけの歯科でしっかりケアをしてもらえば削らなくても良い状態のまま経過します。 自分の歯は一度削ってしまったら元には戻りませんし、残せる歯質は残した方が抵抗力は高いのです。

ただ、正しい歯磨きや予防処置をしていなければ虫歯は進行します。前から言っているように、痛くなってから歯科にかかるのではなくて、理容室や美容室に行くように定期的に歯科にかかる癖をつけてもらうのが「いかに虫歯の無い人を増やすか」につながります。はっ!っと思った人は、今すぐかかりつけ医にお電話を!

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